おおぞら歯科コラム

歯周病のリスクは全身にも及ぶ? 糖尿病との関係について

2025.01.01

歯周病は、細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯茎が赤く腫れたり痛んだりするほか、進行すると骨が溶けて歯がグラグラ揺れるようになり、最終的には歯そのものが抜け落ちてしまいます。
加えて、一度悪化すると症状が慢性的に続く点、初期段階では自覚症状がほとんどない点にも注意しなければなりません。

このように、健康に大きなリスクを及ぼす歯周病ですが、実は口内だけでなく全身にも悪影響が懸念されることをご存じでしょうか。
歯周病との関連が指摘されている全身疾患はいくつか挙げられますが、今回はその中でも代表的な「糖尿病」との関わりについて解説します。

 

相互に影響を与えあう

糖尿病は、どのようなメカニズムで歯周病と関わりを持っているのでしょうか。

インスリンの作用が阻害され糖尿病が悪化する

歯周組織が炎症を起こしている状態は、「サイトカイン」と呼ばれる物質を生み出します。このサイトカインが血管を経由して肝臓や筋肉に巡ることで、血糖値を下げる「インスリン」の働きを阻害します。
その結果、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病の悪化につながると指摘されているのです。

免疫機能が低下して歯周病が悪化する

糖尿病になると、免疫力が低下して細菌に対する抵抗力が弱まるため、歯周病のリスクが上昇します。
また、唾液の分泌量が下がってしまうことも糖尿病の症状のひとつです。唾液には細菌を洗い流したり細菌の繁殖を抑えたりする役割があるため、唾液が十分に分泌されないと口内が乾燥し、歯周病の発症や悪化につながります。

上記ふたつのポイントに見られるように、歯周病と糖尿病は一方通行ではなく互いに影響を与えあっています。

 

歯周病の治療が糖尿病の管理に役立つケースもある

歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼしています。これは逆に考えれば、良い影響を与えあう可能性もあるということです。

歯周病治療を行って炎症を改善すれば、インスリンを阻害するサイトカインの産出を抑えられ、血糖値がコントロールしやすくなることが報告されています。つまり、歯周病の治療が糖尿病の進行を遅らせることに寄与する可能性があるのです。
歯周病治療をすれば必ず糖尿病が完治する、というわけではありませんが、少なくとも糖尿病治療にも恩恵をもたらすことは期待できるでしょう。

糖尿病を抱えていて、なおかつ歯茎の状態が良くないという方は、ぜひ歯周病治療から糖尿病にアプローチしてみることをご検討ください。

 

口内から全身の健康を守っていきましょう!

歯や歯茎を守るため、という意識で歯磨きやフロスをしている方は多いでしょう。しかし先述したように、糖尿病などの全身疾患と歯周病には大きな関わりがあります。
もちろん、噛む、話すといった機能を維持するという目的で歯を守ることも大切です。それと同時に、口腔ケアを通して体の健康を維持し、将来のQOL(生活の質)の向上につなげていくことも大きな意味があります。

定期メンテナンスとして当院にお越しいただければ、クリーニングや歯石取りに加えて、患者様一人ひとりのお口に合ったセルフケア方法をお伝えすることも可能です。
普段からしっかりと歯磨きやフロスを行って、口内から全身の健康を守っていきましょう。

 

連携して治療を進めていくことも重要です

また、糖尿病を患っており血糖コントロールが悪い方は、歯科治療の効果が十分に出なかったり、治療を行えなかったりする可能性があります。その際は主治医にも相談するとともに、糖尿病がある旨や現在服用している薬の種類などを担当の歯科医師にお伝えください。
リスクを十分に考慮し、緊密に連携して治療を進めていくことが大事です。

もちろん、糖尿病以外の全身疾患の場合も同様です。不安な要素が少しでもあれば遠慮なく相談するようにしましょう。

 

 

医院紹介

おおぞら歯科では、患者様一人ひとりのお悩みを真摯にお伺いし、将来の健康を見据えた治療や予防をご提供しております。
どのようなお困りごとも、まずは一度ご相談ください。

【医院名】
おおぞら歯科

【住所】
福岡県福岡市南区野間2−3−10

【電話番号】
092-542-8020

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・西鉄バス「神田町」すぐ
※筑紫丘トンネル西に出てすぐ

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