入れ歯が安定しなかったりすぐに外れてしまったりして、入れ歯安定剤の使用を検討することはよくあると思います。
しかしその際に、「もともと口にフィットするように作られているのに安定剤を使って大丈夫なのかな?」と不安を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、入れ歯安定剤の使用にはメリットとデメリットの両方があります。
今回はその点について解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
入れ歯が外れにくくなり、食事や会話が快適に
入れ歯安定剤を使うことには以下のようなメリットがあります。
食べ物が噛みやすくなる
入れ歯の安定性が向上するため、食べ物をしっかり噛めるようになります。
咀嚼力は食べられる食材の種類に直結するため、食事を楽しむうえで非常に大きな要素といえるでしょう。
入れ歯が外れにくくなる
同じく入れ歯の安定性が向上することによって、食事や会話の最中にズレたり落ちたりするリスクが低くなります。
痛みがやわらぐ
入れ歯安定剤が床(土台部分)の間のクッションとなるため、噛んだ際の痛みがやわらぐことが期待できます。
入れ歯と歯茎の隙間が埋まる
床の部分と歯茎の隙間が埋まることで、食べ物のカスが隙間に入り込んで不衛生になるリスクを避けられます。
また、隙間からの空気漏れがなくなって発音も改善されます。
ただし長く使い続けるとさまざまなリスクも
入れ歯安定剤によって入れ歯の違和感や不具合が改善されることがありますが、正しく使ったうえで一時的な使用にとどめるようにしてください。
なぜなら、長期間使い続けるといろいろな問題を招く恐れがあるからです。
噛み合わせの高さが変わる
入れ歯安定剤を使うと、必然的に入れ歯と歯茎の間の厚みが増します。
これにより噛み合わせの高さが不均衡になり、違和感が生じてしまうかもしれません。
歯茎や顎にトラブルが生じる
入れ歯安定剤を長期間使い続けると、慢性的に歯茎や顎に負荷がかかりすぎる状態になり、歯茎や顎の骨がやせてしまうリスクがあります。
また、歯茎の炎症や顎関節症にも繋がります。
入れ歯や口内が不衛生になる
入れ歯安定剤には粘着性があるため、外した後も入れ歯にこびりついていることが少なくありません。
こびりついた安定剤は掃除しても落としにくいうえ、汚れが付着しやすいという性質があります。
そのため、汚れが原因で不衛生になり、虫歯や歯周病、口臭を引き起こす恐れがあるのです。
入れ歯の不適合がいつまでも改善されない
入れ歯安定剤を使い続けていても、入れ歯が元々持っていた不具合が改善されることはありません。
そればかりか、噛み合わせのズレがさらなる不具合に繋がったり、こびりついた入れ歯安定剤によって修理が困難になったりするケースも考えられます。
入れ歯安定剤はあくまでも応急処置! 不具合があれば歯科医院に相談しましょう
以上に見てきたように、入れ歯安定剤のメリットはあくまでも一時的な使用を前提としたものであり、長期にわたって常用するとトラブルに繋がります。
入れ歯に違和感や不具合が生じる原因は、入れ歯そのものや口内環境の変化にありますので、自己判断せずまずは歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。
おおぞら歯科は入れ歯の作製・調整にとくに力を入れており、専門的な処置で「噛めない」「ぐらつく」「痛みがある」といったお悩みを解決に導きます。
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